開催背景:地域DX ― 2026年以降の展望と実装
国の方針・現状分析・最新ソリューションで描く次のステージ
総務省が策定した「自治体DX推進計画」により、全国の自治体では2021年度から行政サービスのデジタル化が本格的に進展してきました。現行計画は2025年度末で終了し、2026年度からは新たなフェーズへと移行します。
しかし現場では、都市部と町村部の進捗格差、専門人材の不足、財政的制約など、依然として多くの課題が残されています。これらの課題は行政だけで解決することは難しく、民間の力をどう引き出し、地域の中で持続可能な仕組みを構築するかが問われています。
デジタル化・AI利活用の新たなステージへ
いま、行政のみならず社会全体が変革の岐路に立っています。これまで「効率化」「業務のデジタル化」を中心に展開されてきたDXは、これからの5年間で「社会を動かす構想」へと進化していきます。
その中心にあるのが、官民連携による共創です。行政が抱える構造的課題に対して、民間企業が持つ技術力・人材・理念を融合し、地域経済・公共サービス・住民生活を一体的に変革していくことが求められています。単なるシステム導入にとどまらず、社会価値を共に生み出す新たな仕組みづくりが次のステージです。
社会全体のデジタル改革へ
総務省の「自治体DX推進計画」で進んだ行政のデジタル化は、2026年度から社会全体を対象とする段階へ移ります。行政・企業・地域・住民がデータとテクノロジーでつながり、共に社会の仕組みを再構築する時代が始まります。
この変革を実現するには、行政と民間が相互理解と信頼のもとで取り組む“共創の力”が不可欠です。公共インフラの担い手の在り方も、サービス提供の枠組みも、大きく変わろうとしています。
本セミナーでは、
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国の政策動向と支援策(総務省自治行政局地域DX推進室)、
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現状分析と推進戦略(日本総合研究所)、
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実装ソリューションの最前線(協賛企業各社)
の3つの視点から、2026年度以降の自治体DXの具体的な道筋を描きます。
行政関係者、企業担当者それぞれが、自らの立場から“次の一歩”を見出すための実践的な示唆を得られる機会となることを期待しています。
協賛企業
プログラム詳細
13:05-13:40
≪基調講演≫
「自治体DX推進計画の概要・今後の方向性について」
総務省 自治行政局 地域DX推進室
松葉 勇志氏
自治体DX推進計画について、計画の概要や、これまでの国の支援策等を踏まえた重点取組事項の進捗状況をご説明します。また、今般、自治体DX推進計画の改定を予定していることから、その改定内容をお示しするとともに、来年度以降の総務省の重点施策をご説明します。
13:45-14:10
「自治体DX推進に向けた生成AI活用術」
アドビ株式会社
鷹木 信之氏
あらゆる部門で日常的に行われる文書業務の負担を軽減することは、業務効率化を進めるうえで重要です。
Acrobat AIアシスタントは、企画立案や相談対応など、住民サービスの向上に注力できる環境の実現を支援します。
今回は、導入メリットや活用方法について、デモンストレーションを交えながらご紹介します。
14:15-14:40
「公共のクラウド移行に向けたシステムの最適化とは」
株式会社ネットワールド
マーケティング本部 クラウド推進部 クラウドビジネス課
嶋田 悟氏
JTP株式会社
システムコンサルティング事業部 パブリックアカウント部
部長 坂本 和隆氏
ITシステムのコスト最適化、セキュリティ向上、運用簡素化などの変化が求められる昨今、その解決の一つがクラウド化です。
既にパブリッククラウドの導入によりその課題を達成させれているケースも増加しています。
本セミナーでは現在オンプレミス環境をお使いでAWSクラウドへの移行に関心のある公共の皆様向けに、
移行の最適化(モダナイゼーション)ソリューションやクラウド活用のメリットをご紹介します。
14:50-15:15
≪基調講演≫
「自治体DXの進捗状況から考えるこれからの方向性」
日本総合研究所
調査室 主任研究員
野村 敦子氏
全国で自治体DXへの取り組みが活発化しています。
国の発表資料をもとに市区町村の進捗状況を測定すると、人口規模や地域によって差が生じていることがわかります。
自治体DXが目指すべき方向性は、業務・サービスの効率化や利便性の向上のみならず、
行政・行政職員、市民、地域社会にとっての「三方よし」であると考え、その実現ならびに格差解消に向けて、どのような施策が求められるのか、先行事例も踏まえて考察します。
15:20-15:45
「地図データで変わる自治体DX」
株式会社Geolonia 取締役 COO
西川 伸一氏
地理空間データ連携基盤を活用した自治体DXの推進方法をご紹介します。
業務効率化から住民サービス向上まで、実際の導入事例を通じて具体的な効果とコスト削減策を解説。
デジタル化に取り組む自治体の皆様に実践的なヒントを、実際の事例のデモを交えてお届けします。
15:45-16:00
ファシリテーターによるセミナー総括・エンディング
16:00-16:30
ネットワーキング等
基調講演者(登壇順)

松葉 勇志 氏
総務省 自治行政局 地域DX推進室 課長補佐
2016年に総務省に入り、新潟県への赴任後、総務省自治財政局、消防庁などでの勤務を経て、2021年から香川県へ赴任し、自治振興課長を務める。2024年に総務省に復帰し、消防庁での勤務を経て、2025年7月から現職。

野村 敦子 氏
日本総合研究所 調査部 主任研究員
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。三井銀行(現三井住友銀行)入行後、さくら総合研究所出向(現日本総合研究所)を経て、現在に至る。主な調査研究テーマは、DX、イノベーション・エコシステム、データ戦略など。総務省、経済産業省等の委員会・研究会委員等歴任。筑波大学博士(社会工学)。
協賛講演者(登壇順)

鷹木 信之 氏
アドビ株式会社
デジタルメディア事業統括本部 エンタープライズ第一営業部 官公庁担当
シニアアカウントエグゼクティブ
日本電気株式会社、株式会社セールスフォースジャパンにて、官公庁に対する営業活動に従事し、2024年アドビ入社。アドビ株式会社においても、官公庁マーケット向けの営業活動に従事。

嶋田 悟 氏
クラウド推進部 クラウドビジネス課
2024年より株式会社ネットワールドのAWS専任担当者として、アライアンスや販促企画業務を担当。
前職ではシステムエンジニアとして、AWSの構築・設計業務に従事。AWS認定ディストリビューターとしてのビジネス拡大に向けて、AWS再販やパートナー育成、AWS Marketplaceの普及に努める。
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坂本 和隆 氏
プライベートクラウドおよびパブリッククラウド(AWS/Azure)のインフラ設計構築やPMを従事。
2024年よりガバメントクラウド関連の支援から公共事業を担当。
現在はパブリックアカウント部 部長として、クラウド活用による公共分野の課題解決に取り組む。

西川 伸一 氏
オープンソースのウェブ開発や外資系クラウド企業での技術営業を経て現職。高松市のデジタル田園都市国家構想交付金プロジェクトに参画し、庁内の技術理解推進やGIS・地理空間データの活用支援に取り組む。スマートシティ・リファレンスアーキテクチャ別冊「地理空間データ連携基盤」(内閣府)の執筆も担当。